1年半くらい使用してきたiPhone6が、突然、不調になりました。
まずは、リンゴループと呼ばれているらしい状況に陥って、その後、リンゴのマークがだけが表示され続ける起動不能の状態に。自分でも修復を試み、けれどもどうやら手に負えないようなので、横浜駅西口のキタムラへ。ここだと、修理が可能なのだそうです。

結論を書いてしまうますと、ショップのスタッフもずいぶん頑張ってくれて、初期化された状態で復旧してくれたのですが、
「また、いつ落ちてしまうかは解らない状態」とのことで、機械を取り替えました。伺うと、iPhoneは1年半から2年も使うと、どこか故障が出てくるものなのだそうです。その脆弱性を見越して、保証に入っていれば無償で修理が可能というシステムが運用されているわけですが、けれども、本末転倒であるような気もします。なんで、これほど、コンピューターの関連機器は、脆弱であることがいつまでもまかり通っているのか、ちょっと不思議な気もします。

そういえば、今日はある電鉄会社の車両の更新工事を取材してきました。
工場内を案内をして頂いた電鉄会社の方からは、中古車両の扱い方なども色々話を伺えたのですが、現代という時代は、下手に車両の更新をするのであれば、新車を導入した方が安上がりとなる場合もあるのだとか。それは現代の電車が、制御装置にコンピューターシステムを導入しているためで、10年も過ぎれば、システムが一新されてしまい、旧来のものが使えなくなってしまうのだそうです。
一昔前までは、私鉄の車両などは、あちこちを修理して修理して、それこそクタクタになるまで使ったものですが、今はそうしたくても、システムが古くなってそれができないということでしょう。

電話も鉄道車両も、事情は同じ、ということになるのでしょうか、便利なのか、便利そうで実はそうでもないのか、いろいろと難しい時代ですね。


 iPhone6が突然、ダウンした。いや、一度だけ「リンゴループ」状態になり、自然に復旧して、しかし、またダウンして、今度はループにもならなかった。
 当然、ネットで調べ、復旧を試みるがペケ。カメラのキタムラに行く(ここが正規ナントカだそうな)。
 担当となった若い彼も必死に頑張ってくれて、見事に初期化状態で復旧した。ただし「また、いつ落ちるか、解りません」とのこと。iPhoneは、だいたい2年も使っていれば「どこかは行ってしまう」のだそうな。
 いろいろ考え、同じ機種の新しい機械を購入。3万6000円ナリ。仕事の道具だ。行く時は行こう。それに保証に入っていれば、このうちの8割方戻ってくるという。まあ、月々の課金からの精算という、あまり有難味のない奴だけれど。
 そんなわけで、昨日は、まず電話を開通させ、今朝、メールを開通させた。途端に未読180通。これが現代の社会参加というものだ。例えば池波正太郎は、スマホなど持っていなかったとは思うが。
 そのような次第だから、新しい携帯には、まだ、ツイッターも、フェイスブックも入っていない。ただ、今の状態も、なんだか別荘で暮らしているような気分で、これはこれで悪くないと思ってはいる。


先日乗車してきた「SLやまぐち号」の新しい客車の写真を2枚アップします。

やまぐち号1_convert_20170925234713

客車のボックスシートはこのような感じです。ただし、編成中の5号車スハテ35 4001のみは背刷りが木製で、ずいぶん思い切った処理だと思いました。窓は昔ながらの開閉ノブのついたものですが、コンセントが設けられているのが、いかにも今風。それでも、新旧が見事にマッチしたデザイン処理だと思います。

やまぐち号2_convert_20170925234841
 
こちらは洗面所。やはり、細かなタイル貼り風の処理など、昔風のデザインです。でも、さすがにできたて。ピカピカです。いわゆる旧型客車の晩年は、このような設備が古びて、清潔感は今一歩という感じもありましたけれど、この車両は美しいままの姿で使われ続けることになるかもしれません。

これは写真には撮らなかったのですが、車端部の妻面には、昔ながらの鉄道路線図も貼られていました。私がまだ子供の頃は、鉄道の情報も少なかったですから、列車に乗って、そのような地図を目の当たりにすることにも、喜び、驚きを感じたものでした。そのような旅に出たことを実感させてくれる、この新しい客車での演出は、見事なものだと思います。

やまぐち号3_convert_20170925234957

上の写真は、津和野からの帰路の車内で食した津和野駅の駅弁「かしわめし弁当」。ポピュラーなスタイルの鶏めしですが、おかずがしっかりと入っているのが嬉しいところ。って、こういうあっさりしたおかずが嬉しい年齢に、私もなってしまいました。
当初の予定では、津和野駅で十分な時間があり、町で食事をする予定だったのですが、台風の後遺症か、この日の列車も全般に遅延気味で、食事は列車の中で、ということになったのでした。ところで、津和野駅で駅弁を探すと、売店に並べられていたのは3個だけ。私たち取材クルーは5人でしたが、「お弁当、これだけですよね?」と売店のおばちゃんに聞くと、「いくつ要るの?すぐに届けてもらうよ。何時の列車。15分後?間に合う、間に合う」と、工場の方に携帯で電話をしてくれたのでした。

お客様相手の仕事ですから、当たり前と言えば当たり前なのですが、ちょっとした心遣いは嬉しいものです。
それから、こういう時の会話を、いろいろな呼吸で楽しめるようになることも、歳を取ることの効用であるに違いありません。
歳を取るのも、悪いことばかりではないのです。


大井川鐵道9月22日発のプレスリリースです。

10月21~22の2日間、新金谷駅周辺で「大井川鐵道SLフェスタin新金谷」が開催されます。
こんなにたくさん、できちゃうのかな?というくらい、盛りたくさんな内容です。
(当方で一部文字の追加、着色などを行っています)

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10/21(土)、10/22(日)は2017 SLフェスタ in 新金谷
名物 SL大集合、元西武E31形添乗体験 も!今年も内容盛りだくさん

大井川鐵道(本社 島田市)は2017(平成29)年10月21日(土)、22日(日)の2日間、SLファン・大鉄ファンへ日頃のご愛顧感謝を込めた「SLフェスタ」を島田市及び川根本町と共同で開催いたします。今回も大井川鐵道をより身近に感じていただきたく、イベントの中には親子で楽しめる様々な体験機会をご用意。当社はこれまで支えてくださっているファンの皆さまに加え、他地域・次世代ファンへも積極的にアプローチすることで、今後も"SL動態保存のパイオニア企業"として沿線地域のにぎわい創出に貢献してまいります。イベントの詳細は以下のとおりです。

■2017SLフェスタin新金谷 概要 実施日
2017(平成29)年10月21日(土)、10月22日(日) 会場
新金谷会場 : 大井川鐵道新金谷駅構内 ( 静岡県島田市金谷東二丁目 )
往還下公園会場 : 金谷往還下公園 ( 新金谷駅より徒歩5分 )


■イベント内容

SL大集合
実施日:10/21
時間:9:30~9:50
場所:新金谷駅構内
説明:
C10-8,C11-190, C11-227 (予定) が横一列に並ぶ名物 SL大集合。ダイヤの隙間をつかった20分間だけの光景です。

鉄道トークショー
実施日:10/22
時間:13:30~14:15
鉄道オークション
時間:14:30~15:00
場所:どちらも、プラザロコ特設ステージ
説明:
ホリプロ女子鉄アナウンサー 久野知美さんとホリプロマネージャー 南田祐介さんをゲストに迎え、鉄道写真家 中井精也さんとの”鉄分”の濃いマニアックトークが炸裂!オークションではSLフェスタ開催を記念して限定作成した「SLかわね路愛称板」 (実際に客車に取り付けて走行したもの) などを出品します。

SL運転体験
実施日:10/21~10/22
時間:11:30~11:50 12:00~13:00 14:00~14;50
(※22日は~15:00)
場所:新金谷駅構内
説明:
C10-8 (予定) を実際に運転!
もちろん、ベテランの機関士がサポートします。
※小学生以上1名8,000円 (ナッパ帽・革手付)
※未就学児は大人同伴
※参加者は抽選で決定します

転車台手回し体験
実施日:10/21~10/22
時間:9:00~10:00 12:00~13:00 14:00~15:00
場所:新金谷転車台
説明:
重さ50トンの蒸気機関車。みんなで力を合わせて向きを変えてみましょう。

あぷとライン体験乗車
実施日:10/21~10/22
時間:9:00~12:00 13:00~16:00
場所:新金谷構外側線
説明:
普段は井川線を走る車両が、新金谷の構外側線を遊覧運転します。 ※小学生以上200円

車両区見学
実施日:10/21~10/22
時間:9:00~16:30
場所:新金谷車両区
説明:
普段は見ることのできない車両整備工場内部を見学できます。※小学生以上500円 (缶バッジ付)

鉄道制服こども撮影コーナー
実施日:10/21~10/22
時間:9:00~12:00 13:00~16:00
場所:プラザロコロコミュージアム
説明:
SLナッパ服、駅員制服をご用意しております。
昭和懐かしい駅舎を再現したロコミュージアムで、お子さまの可愛い一枚を記念に。

■その他イベント
犬釘打ち体験、軌陸車乗車体験、会場スタンプラリーなど親子で楽しめる企画もたくさん。また静岡県内各社の駅弁販売に加え、今年は過去に大井川鐵道を走っていた蒸気機関車 C11形312号機が取り持つご縁で、特別なゲスト駅弁(三重県 松阪駅「特撰元祖牛肉弁当」)も販売いたします。

■今年初 ! 注目イベント

元西武E31 形添乗体験
実施日:10/21~10/22
場所:新金谷駅構内
走行中の電気機関車に添乗することができる貴重な体験です。
時間:10:00~10:30 13:00~13:30 15:00~15:30
※各回最大4 名ずつ5 往復予定
※各回15 分前に転車台前受付にて
整理券配付

中井精也の鉄道写真教室
実施日:10/21
場所:新金谷駅周辺
時間:13:00~15:00
説明:
人気鉄道写真家・中井精也さんと一緒に大井川鐵道の列車を撮影できます。プロのテクニックを教わるチャンス!
※小学生以上1,000 円
※先着50 名
11:00~11:30 にプラザロコ内特設ステージにて整理券配布
詳細は大井川鐵道公式HP にてご確認ください。

中井精也の元西武E31 形夜間撮影会
実施日:10/21
場所:新金谷駅構内
時間18:00~19:00
夜間、照明を当てたE31 形の撮影会を行います。
※小学生以上3,000 円
※先着20 名
16:00~プラザロコ内特設ステージにて整理券配布
詳細は大井川鐵道公式HP にてご確認ください。
※イベント期間中河川敷臨時駐車場、新金谷駅会場、往還下公園を結ぶ無料シャトルバスを運行します。
※入場料金のほかに体験料金や乗車料金が発生するイベントもございます。
※イベント内容、実施時間は変更となる場合がございます。
※イベント内容の詳細・事前ご予約等につきましては随時、大井川鐵道公式HP に掲載いたします。
▹URL→ http://oigawa-railway.co.jp/archives/event/2017slfesta-shinkanaya

■SL フェスタに関するお問い合わせ
大井川鐵道 企画運営事業部 ✆0547-45-3818 ( 9:00~17:00 )


わが近刊の予告であります。 ネットからの拾いによれば、こんな表紙の本になるらしい。
http://sinkan.net/?asin=4802204337&action_item=true …
本が出たら、また、熱心な読者から叩かれるのだろうなあ、と、最近は喜びよりも、怖さの方が先に立つのであります。

イカロス出版から。ネットには10月10日発売予定とあります。進行の詳細は著者は解らない。もちろん、訊けば教えて貰えるけれど、校正を終わって「手離れ」となると、しばらくは「呆けてしまう」のが、著者の常であったり。
本当は、旅に出るのが良いのでしょうが、それはもう少しお預けです。

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 私たち「みんなの鉄道」の取材クルーが「SLやまぐち号」に乗車した同じ日に、いすみ鉄道鳥塚社長も、この列車への乗車を企画し、しかし、台風の影響を考えて旅行を中止されたことは、ご自身のブログでも触れておられました。
http://isumi.rail.shop-pro.jp/?day=20170918

 それでは、台風(18号)が来ることが解っていながら、現地に向かった(もちろん、取材の手配がしてあるわけですから、列車が運休とならない限りは、現地に向かわなければいけません)行程を書いてみます。

 前日の夜に新山口に泊まり、朝から取材スタートというのが大まかな行程で、そのため、私たち5名は、前日(17日)の「のぞみ41号」に乗車しました。この列車ですと、私が乗車する新横浜は14時49分発、新山口着が18時57分着となります。新幹線利用ですと、片道およそ4時間の行程となり、やや長いのですが、飛行機を予約しても、台風による欠航の可能性があり、動く可能性の高い新幹線利用となったわけです。

 けれども、天気予報では、この日の午後に九州への上陸がアナウンスされていましたから、どこかで台風と「すれ違う」可能性が高い。まず、すんなりと着くことはないだろうとの予感を抱きながらの乗車となりました。

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こちら、豊橋駅通過直後の画像です。どこかで何かある可能性が高いので、ちょっと悪戯めきましがフェイスブックに実況することにしてみました。もちろん、台風が来る以上、必ず何だかの被害も出ることだろうし、それを面白がるわけにはいきませんが、鉄道がどのような対応を採るのかを探る、ということです。まだ、雨は降っていません。雲は怪しげですが、切れ間から青空も見えます。


やま02
16時50分。京都発車。まだ雨は降ってきません。皆で、「台風はどこに行ったのだろう?」などと話していました。

 新大阪を出たあたりから、雨が降り始めました。台風に向かって居るのだから当然ですが、雨の勢いは瞬く間に強いものとなりました。

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相生駅で列車に抑止がかかります。駅といっても、「のぞみ41号」は、相生駅通過なので、列車も本線上に止まっています。後から後続の列車が追いつき、この列車は副本線の側に停車しました。

 やがて、ようやくにして列車が動き出したのですが、「のぞみ41号」は岡山で運転打ち切りとのこと。それよりも先にゆく人は、岡山で列車を乗り換えて欲しいとのことです。

https://www.facebook.com/eiji.ikeguchi

 岡山駅に着いた時が、土砂降りでした。フェイスブックに寄せられた友人からのコメントでは、台風は高知にいるとのこと。まさに再接近というところでしょうか。「のぞみ41号」の車内アナウンスでも、乗り継ぎ列車の列車名はアナウンスされ、まずはそれで広島まで行くようにということだったのですが、その列車がいつ来るのかが解りません。
 やがてホームが停電。すぐに復旧したのですが、駅員さんがどこからか非常用の照明装置を携えてきて、ホーム上に配置します。こういう時、鉄道の職員は真面目で、本当に頭が下がります。
 
 「のぞみ41号」が岡山で運転打ち切りとなったのは、単に台風の影響だけでなく、新岩国の付近で倒木があったためということでした。私たちが岡山に着いた頃には、架線への送電は再開されたとのことでしたが、最終的な安全確認に時間が要されているとのことです。

下は岡山駅で流されていたニュース映像。結構、大規模な倒木のようで、これであれば、復旧に時間がかかるのもやむを得ません。岡山で「のぞみ41号」の運転が打ち切りとなったので、「レンタカーで新山口まで走りますか?」とディレクターのKさんに訊いたところ「当然、それも考えました」との返事。まずは様子を見ながら、行けるところまで新幹線で行こうという腹づもりのようです。
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 最近は都会で鉄道に乗っていても、しょっつう列車が止まり、その都度、「安全を確認しております」というアナウンスが流されます。知り合いの鉄道ライターが、「安全を確認していますとアナウンスしてから運転士を見ていたけど、何もしなかった。あれ田ポタージュと違うんか?」と言っていたことがありましたが、でも、こういうときは、復旧現場で作業をする人には、本当に頭が下がります。

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 岡山で上の写真の列車に乗り換え、さらに広島でもう一度「こだま」に乗り換えました。案外遅くならなかった。それでも新山口着が22時過ぎとなりましたから、新横浜からは、7時間がかかったことになります。
ホテルにチェックインしてから、再度ロビーに集合し、居酒屋に向かったクルー一同の俊敏だったこと。何しろ速く行かないと閉店になってしまうというわけです。

インターバルを入れての7時間の乗車は、さすがに疲れました。この先がどうなるか解らないという不安も多少混ざっていたからだとは思います。12時に居酒屋が閉店し、部屋に戻ってベッドに入ると、3秒と経たず眠ってしまったようです。








本日(20日)は、仕事で半蔵門まで出かけたついでに、趣味の大先輩である宮澤孝一さんの作品展を見学してきました。ちょうどトークショーの開催日ということで、宮澤さんもいらっしゃり、挨拶をしますと、例によって、ひとしきり「活を入れられ」ます。なんだか、座禅をしていて、お坊さんに叩かれるような気分ですが、宮澤さんの一言一言には、必ずこちらへの恵みが含まれている。それを皆が知っていますから、叱られても叱られても、募ってゆくわけです。

今回の作品展は、ご自身が撮られた全国の市内電車の写真。オールモノクロで、サイズも大きくはありませんが、鉄道であるとか、町の景観を撮影するのが好きな方には、多くの発見があるように感じました。10月1日までの開催ですので、都心にお出での方は、ギャラリーに立ち寄ることをお勧めします。個人的には、やはり都電1系統の最後の夜の写真が印象に残りました。あの頃の風景は、なぜかとても魅力的です。

下の写真は、JCIIフォトサロンのホームページに掲出されていた作品(もちろん宮澤さんの撮影 http://www.jcii-cameramuseum.jp/photosalon/photo-exhibition/2017/20170905.html)ですが、本当にどの写真も魅力的でした。

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 先にも書きましたとおり、この3連休の後ろの2日間を使って、「SLやまぐち号」に乗ってきました。もっともこれは個人的な旅行ではなく、CS放送(スカパー)で放映されている鉄道番組「みんなの鉄道」の取材の旅行です。番組は10月14日に「鉄道の日スペシャル」として放映されますので、是非、ご覧ください。「みんなの鉄道」も、お陰様で、10年以上放映が続けられている長寿番組となりました。その理由は、この番組の取材の方針が、無理に驚いたり、怒ったりするようなことはなく、現場の姿をありのままに伝えてきたことにあるのかなと思っています。ディレクターの方々も、鉄道について学び、その魅力を理解した上で番組作りをしていますので、私たち「鉄道が好きな人間」が見ても、まったく違和感がない。芸能人が出てきて、大げさな身振りで喜んで見せるようなことは、まったくありません。地味な作りではあるかもしれませんが(笑)、その確実さは、見る人が見ればすぐに解る。もし、気動車を電車と呼ぶような原稿が上がってきても、すぐに赤が入いります。

 さて、報告したいことは色々あるのですが、まずは9月2日から運転が開始された新しい「SLやまぐち号」用の客車の写真を2点アップしましょう。これまで、この列車の客車には12系客車改造の専用客車が使用されてきましたが、この車両も交替期を迎えたことから、今回新たに35系客車を名乗る5両編成が、新潟トランシスによって新製されました。

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 写真は、編成中1号車に連結されるオロテ35形。展望車マイテ49形を参考にして製作されたというグリーン車の展望車です。編成中、この車両だけがダブルルーフを採用しており、これはもちろん、実用面ではなく、旧型客車のイメージを追って採用されたという意匠ですが、アナウンスされているオハ31系のばかりでなく、客車特急として運転されていた「はと」「つばめ」に連結されていたスハニ35のイメージにも近いものになっているように感じます。
 
 編成はもちろん、全車空調完備ですが、屋上に取り付けられたクーラーは目立たないようにデザイン処理され、屋上にはダミーのガーランドベンチレーターも取り付けられています。他の車両も同様に旧型客車(そちらはオハ35系のイメージ)がうまく再現されており、蒸気機関車との違和感がありません。思えば運転が開始された頃の「SLやまぐち号」は、12系客車をそのままの姿で使用しました。もちろん、それは明快な方策であったわけですが、往年の蒸機列車の姿の再現を望む声は多く、その結果として先の改造車が使用されてきた。あるいは静岡県を走る大井川鐡道では、冷房がないことを承知で旧型の客車を用い、新潟県を走る磐越西線の「ばんえつ物語号」では、やはり改造客車が使用されてきた。改造客車は、乗り心地は快適ですが、どうしても機関車との釣り合いが取れず、そこにジレンマがあった。けれども、この新製された客車には、明快な回答があります。冷房や、あるいは水洗式の快適なトイレを装備しながら、しかし、外観はかつての旧型客車を思わせるこの方式は、これからのSL列車のスタンダードとなってゆくかもしれません。

 さて、室内の情景から1枚写真をアップします。3号車ナハ35形の室内にある「SL運転シミュレーター」です。列車内にシミュレーションを持ち込むギミックはこれまでにも例がありますが、このシミュレーターは観光色の強い列車のサービスの一つなのだから、その存在には意義があります。嬉しかったのは、インストラクターを務めていた女性のセリフで、私が「その逆転器は動くのですか?」と聞いたところ、快活に「はい。加減弁と一緒に使用して運転して下さい」という答えが返ってきました。

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 これはインストラクターさんが、ちゃんと勉強をした証で、それだけ真剣にこの列車のサービスが検討されてきたことが解ります。つまり、用意されたハードに見合うソフトが用意されているということです。日本では鉄道に限らず、「ソフトがハードに追いつかない」ことが多く、それが利用者を白けた気持ちにさせることが少なくなかったように感じますが、これであれば大丈夫かなと感じました(この車両には他に「かまたき体験ゲーム」も用意されています)。

 日本の「豪華列車」などでも、若いスタッフがはきはきと、けれどもすぐに「かしこまりました」と返事するスタイルに、私は少し不満を感じていました。アメリカでもヨーロッパでも、あるいは中国でも、列車のサービス担当スタッフは、もう少し、自由な会話を乗客と交わします。時にはジョークが連発されることもあるのがアメリカの長距離列車のスタイルで、けれども日本ではそういうことはまずない。それはマニュアルを作った人間が、実際に鉄道の旅行をしていないことの証であるように、私には感じられるのです。ホテルでは良くても、同じスタイルをそのまま列車に持ち込んで良いとは限らない。そのことを、マニュアル制作担当者が実感していないから、あのような答えばかりが返ってくるのだと、私はそう解釈しています。

 大切なのはハードとソフトのバランスが取れていることです。昨日見た限りでは、新「SL山口号」は合格。これからが楽しみなところです。

 記述が少し長くなりました。すみません。
(少し続きます)




17日、18日と、1泊2日の弾丸ツアーではあったのですが、山口線を旅してきました。
旅とはいっても、CSで放送されている鉄道番組「みんなの鉄道」の取材クルーの一人としての参加ではありましたが、それでも、実際に鉄道の旅行に出かけるというのは、良いものです。かならず、色々な発見があります。

特に今回は、この9月に新装なった「SLやまぐち号」用の客車がとても印象深いものとなりました。

詳細は後ほどアップしますね。
写真は徳佐駅に停車中の「SLやまぐち号」。
なんだか、子供の頃の夏休みの旅を思い出してしまうような雰囲気です。

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雨に降られ、諸々締切も迫っているので外出もしていないので、また本の話を。「鉄道のての字」もありませんが。
 この本も「名著」と呼ばれている一冊。嵐山光三郎さんが「料理のお稽古」を書いた時に、この本を意識したと、どこかに書いていた気がする。内容はもちろん、料理の指南書であるのだけれど、何度読んでも、また読みたくなるのだから、ただの料理指南ではなく、文芸書でもあるのだろう。何しろ、この人にかかると、夏のソーメンが、あるいは、ただ醤油で2~3時間煮ただけの豚バラ肉が、あるいは、小麦粉でドロリと仕上げた日本風のカレーが、古今東西のあらゆる料理と肩を並べる一皿となってしまうのだから、素晴らしい。
 例えば焼いた牛肉に、ワインをふりかけ、スライスしたレモンとバターを載せて食べるという、その手順が同じであっても、どの言葉を用いてそれを語るかで、想像される味はいかようにも変わってしまう。つまり、書き手にとって、語彙が必須の資質であることは言うまでもないのだが、それと同等かそれ以上に、生き様が大切なのだと、そう思わされてしまうというわけ。
 生き様をすぐに変えることはできないけれど、いろいろな本を読まないと、自分が偉くなってしまっていけない。で、ソーメンを美味しく食べる方法も学べるわけだから、良い本なのであります。

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