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 ヨーロッパから帰ってきて、日本の鉄道に乗り、寂しく思うことは多々あるのですが、その最たるものは食堂車の存在です。ご存じの方も多いと思いますが、今、日本で食堂車を連結して運転している列車は、北海道に行く3系統の寝台特急、「北斗星」「トワイライトエクスプレス」「カシオペア」だけです。どの列車のコース料理が主なメニューとなっていて、それも豪華で良いのでしょうが、誰もが気楽に利用できるとは限らない。

 ヨーロッパでも、食堂車は、観光色の強い列車を除けば大いなる衰退傾向にはあり、現在の主流はいわゆるビュフェになってはしまいましたが、ゲルマン系の太っちょのおばさんが一人でエイヤッと切り盛りしているカウンターで、ホットドッグなどを頼み、コーヒーなりビールなりと共に味わうのは楽しいものです。また、1等車(日本のグリーン車に相当)に限った話ですが、飲み物と軽食ならば有料とはいえ座席に運んでくれますし、フランスのTGVやスペインのAVE、英仏海峡のユーロスターの食事時間帯に掛かる列車の1等車では、コース料理のシートサービスがあり、食事代金は運賃に含まれています。

 日本で食堂車が衰退してしまったのも利用客の回転が悪く、赤字が解消されないことが原因であったと言います。その昔、多くの列車に数多くの食堂車が連結されていた時代にも、そのほとんどが赤字で、業者は車内販売の権利を得られることでバランスを取っていたという話も、どこかで読んだ気がします。けれども、ヨーロッパがあれだけ頑張っていたのだから、日本でも、なんとか食堂車存続、復活の道を探して欲しいものです。

 往年の「ブルートレイン」には食堂車が連結され、利用客に旅の味覚と、素晴らしい思い出を提供していた。私鉄にだって食堂車があった。明治期から数えれば、その数は思いのほか多く、昭和の中期以降にしても、例えば伊豆急行に「スコールカー」という存在がありました。この車両も、結局は非採算であることからすぐに普通の旅客車に改造されてしまったのですが、もし、今もそのような車両が残っていたとして、例えば東京発伊豆急下田行きの「踊り子号」に連結され、「朝獲れ 鯵のタタキ定食」などというものがメニューにあったら、これは素晴らしいと思うのですが。少なくとも、私は行きます。食堂車に。

 「鉄道復権」「鉄道ブーム」といわれている今こそ、どこか、もうひと頑張りしてくれる鉄道会社があれば、鉄道のイメージがさらに良くなるように思います。

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