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「停車場として最もわたしの興味をひくのは、小さい停車場か大きい停車場の二つであって、どちら付かずの中ぐらいの停車場はあまり面白くない。殊におもしろいのは、ひと列車に二、三人か五、六人ぐらいしか乗り降りのないような、寂しい地方の小さな停車場である」
 これは『半七捕物帳』などの作者として知られる岡本綺堂の言葉です。鉄道には無縁だったように思える人にもこんな言葉があるのが面白い。この言葉は「停車場趣味」という文章の中の一節ですが、現代にも当てはめることができそうな言葉です。もっとも、近年の駅は、あまりにも効率化が進み、鉄道会社自身が鉄道を愛しているのか疑いたくなるようなデザインのものも多いようですが。

 この文章が掲載されている文庫本を買ったのはずいぶん昔のことでしたが、今日、この本が目に留まって、本棚から引っ張り出してみたのでした。長い時間が経った後だと、昔読んでいたはずの言葉も新鮮に感じられ、これもまたつん読の効用なのだろうなと思った次第です。
 
 ひと昔前の鉄道の駅が、壮大な伽藍を建ててみせたのは、産業の神格化のゆえという考え方があります。つまり、リスペクト。それであれば、現代の駅には、これがいちばん不足しているようにも感じます。


むかしの_convert_20180913092004

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