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いま、私の手元に時代の先端をゆく漫画『ねことじいちゃん』がある。ねこまきという、実に脱力な著者名は置いておいて、この漫画もネコという、どうせ大したことは考えていないはずの動物に振り回される人々の、ささやかな幸せが描かれている。
 舞台はネコがたくさんいる、とある島。主人公の一人である大吉じいちゃんは名古屋訛りの言葉を話すので、三河地方かどこかの島が舞台ということになるのだが、なに、描かれる風景は、日本の小島の普遍的なものだから、読み手が勝手に想像すればヨイ。
 登場するのはたくさんのネコと、それから島に住む高齢者がほとんどで、でも、皆ささやかに幸せそうに見える。つまり、閉塞感だらけの日本も、こうして高齢者が自立し、若者が高齢者をリスペクトして社会が回転すれば、目をそむけずにすむコミュニティが成立するのではないか?と、あざとい読者はそこにヒントを見出そうとするわけだが、なあに、ネコはそんな難しいことに関心なんかない。
 じいちゃんが、先立たれた妻のことを思い、ネコが来てからは絶えなかった夫婦喧嘩がなくなったと、ネコに向かって「うちに来てくれてありがとうなぁ」と呟く。それだけで、一つの物語が出来上がってしまうのだ。
 で、ネコは相変わらず膝の上で丸くなり、ときどき「ぶに~」などと啼いてみせるだけなのだが、なぜか、ちゃんと主役が務まるところが、巡り合わせの妙、である。

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