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 仕事からの帰り際にスーパーに寄ると、ソラマメがたくさん並んでいた。この食材がスーパーに並ぶようになって、今年ももうだいぶ時間が経っていることは知っているけれど、旬のものを見るのは、いつも心の弾むものである。今年はまだエダマメには早く、もちろんトウモロコシも出ていないが、これらのものが店先に並んだら、きっと1回か2回は家に買って帰りたい。原発の事故が起こった時、国会の審議の中で「江戸時代のような生活になって良いのか?」という台詞があった。でも、江戸時代の生き方の何が悪いのだろう?単に比べるだけなら、今の方が進歩しているものは数限りなくあるのだろうが、だからと言って何もかも過去の方が不幸だったということには、絶対にならない。旬の食べ物に季節を感じ、生きることの喜びを見い出す。そのような感性であれば、江戸時代の人の方が優れていたはずだ。

 これは少しばかり昔のこと。将棋の米長邦雄が、名人戦の対局中に部屋の窓からソラマメが収穫されるのを見て「あれを食べさせて下さい」と言ったという。将棋名人戦はそんなわがままも認められ、それだけ特別な舞台なのだということを物語るエピソードとして記されたのだろうが、私は何故か、その台詞だけを忘れることができず、だから空豆を見ると、名人戦のことを思い出し、そして初夏という季節の、この季節だけの華やぎを再確認できる。小さな言葉一つが、人の一生を豊かに彩ることがある。

 そんな言葉の一つ。今は「高原野菜」の駅弁を作っている駅弁屋さんの先代社長が「ホームでトウモロコシを茹でたことがある。これは売れた」と言っていた。「売れた」という言葉に、儲かったということではなく、楽しかったという気持ちが込められているようで、話を聞いていたこちらまで嬉しくなった。

 今でも、駅でそんな食べ物を売ってくれれば、お客さんは旅に出た楽しさをいっそう感じることができるのではないかと思う。旅の過程を色々な方法で楽しめること。これこそは飛行機や、クルマではなかなか味わうことができない、鉄道の旅だけの大きな魅力ではないだろうか?

 もちろん、ホームでソラマメを売るのだって、大歓迎だ。




Eiji Ikeguchi

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