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先に紹介させて頂いた交通新聞社発行のムック「鉄道遺産いま・むかし」では、4年間にわたり、ムックに収録されなかったものも含めて、全国48箇所の鉄道遺産を取材させて頂きました。これから、少しずつ、その時の思い出話も書いていこうと思います。

どれも仕事で出かけたのですから、「行けて楽しかった」などと言うことはできませんが、それでも、何やら思い出深いところ、急ぎ足で通り過ぎてしまったところなど、少しずつの差はあるものです。

思い出深かったものの一つが、山陰本線の余部鉄橋です。

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この写真を撮影したのは、2009年の夏のことで、鉄橋架け替えの工事が始まっており、フェンス、網などが邪魔に見えて仕方なかったのですが、今では良い思い出ですね。2泊3日の行程でレンタカーを借り、鉄橋からそう遠くないところにある民宿に連泊となりました。連泊のお客様というのは、宿の側でも食事に工夫が必要なようですが、2日めの夕食に、少しだけでしたが、カニが出ました。
それでも、翌朝になって宿の人に話を訊くと、カニも水揚げ量が減っているのだそうです。何よりも漁船の数が減っているのだとか。みな、歳を取り、少しずつ海に出なくなる。「一隻減り、二隻減り」という状態なのだそうです。北朝鮮から渡って来たカニというのもあるのですが、それは色が悪いので、見た瞬間に解るのだとか。

その話を伺った時は、「また密輸か。仕方ないなあ」というのが率直な感想だったのですが、今は、カニまでもが貧しい北の海が、何だかとても悲しいものであるような気もしています。もっとも、実情を何も知らずに、勝手に感傷に浸るのも良いことではないのでしょうが。

伯備線が電化されて以降、京都を経由する山陰本線は、すっかり裏街道の様相となってしまい、事実、余部鉄橋の写真を撮っていても、特急がほとんどやって来ないことは残念でした。
そんな余部鉄橋であっても、橋の下にはバスやクルマでやって来た観光客の姿が消えることはなく、自動車で現地に来るのに、鉄道の施設を見学するのだなあと、不思議な気持ちにもなったものです。
同じような風景は、九州肥薩線の嘉例川駅の駅舎であるとか、奥羽本線の峠駅などでも目撃しました。
本当に不思議な時代だと思います。


Eiji Ikeguchi

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