先日、次に津軽に行くときは魔法瓶を持って行きたい、と書きましたところ、「内田百閒も魔法瓶を携えていました。中身は熱燗でしたけれど」というコメントを、メールにて頂きました。
ありがとうございます。

私の旅日記には、酒がほとんど登場せず、つまり下戸であることがすぐに解るわけですが、下戸であることが、良かったと思われること、残念に思えること、まあ半々といったところです。

魔法瓶に熱燗というのは、本当にアイディアでしょうし、それにしても先生、とにかく飲み続けていたかったんだなあ、とも思います。作家の立原正秋は一升瓶を抱いて風呂に入ったといいますから、ぬる燗派だったのかもしれませんし、開高健はダルマのボトルを冷蔵庫に入れて、冷たいストレートを飲んだ。こんなエピソードが、何となく艶っぽいのが、お酒の話の良いところです。そういえば、津軽鉄道のストーブ列車の車内も、スルメと日本酒の取り合わせが、良い絵になっていました。

ああいう時、コーヒーでは絵にならないんですよね。不思議なことに。

ここで話に何かオチをつけなければいけないのですが、今回はナシです。
それでも、そのうちに、こんなおしゃべりに後日談が生まれることがあるかもしれません。
線路は、まだ先に続いています。



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こちらは、ストーブ列車の撮影をした前日に立ち寄った、津軽鉄道芦野公園駅。
この駅は、ホームを桜並木が覆っていて、桜の満開の時期の素晴らしさは言葉が見つけられないほどですが、冬のこの時期は、枯木立の中にひっそりと佇んでいます。

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こんな駅です。これは旧駅舎で、新しい駅舎はこのすぐ隣にコンクリート製のものが建っているのですが、木造の旧駅舎も、現在は喫茶店「駅舎」として利用されています。

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やっぱり、駅の中に人がいると、それだけで温もりを感じることができます。最近は、合理化のために無人の駅が増えていますけれど、手入れのされていない無人駅は、廃墟のようなもの。お客様に、そこに来て鉄道に乗れというのは、やっぱり褒められたことではないと思います。そういう姿勢も、お客様を車利用に鞍替えさせてしまっている、一つの理由になっているのではないでしょうか。お金の問題はあるのでしょうが、鉄道会社という大きな組織が、もっと知恵を絞らなければいけないように感じます。

何だか、愚痴になってしまいましたね。すみません。

このブログでは2回めになりますけれど、この駅の春の写真も、もう一度アップします。曇りがちなのが残念だったのと、連休の最終日に行ったので、ゆっくりすることができませんでした。
その意味でも、ぜひもう一度訪ねてみたい駅です。

そういえば、ストーブ列車の乗務員さんからも、「春も素晴らしいので、また来て下さい」と言われています。
それから、鰺ヶ沢の尾野旅館にも、また行きたいし。

必ず。

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今回の津軽行で撮影した、津軽鉄道のストーブ列車です。場所は川倉駅の近く。写真の列車は下りの2番目のストーブ列車。実は、朝一番の下りを撮るつもりで、宿も早く出たのですが、その列車は「ストーブ列車」を名乗り、この写真では編成の真ん中の客車も連結してはいますけれど、機関車牽引ではなく、写真右のディーゼルカーが、客車を引っ張るという編成でした。

なるほど、ストーブ列車であることに間違いはないのですが、何とも絵になりません。仕方なく、次の列車を川倉駅の無人の待合室で2時間半、待つことにしました。

寒かったなあ。

厳しい寒さということであれば、これまでにもこれ以上のものを何度も経験していますけれど、無人の待合室で2時間半というのが、少し、辛かった。あれだけ寒いと、本を読む気持ちにもなれないものです。

いろいろなことを考え、けれどもバッテリーが心配なので、あまりiPhoneで遊ぶ気にもなれず、ああ、やっぱり現代の旅でいちばん大切なものは、バッテリーの予備だ、なんて思ったり。今頃、みんな暖かい部屋の中で家族と一緒にいるのかな、なんて恨めしい気持ちになったり。

それでも、こうやって写真を発表できて、ちょっと自慢したくなるような思い出もできたのだから、捨てたものでもないのでしょうね。ちゃんと一里塚を残せたわけなのだから。

でも、早いうちにもう一度行きたい。その時は、もう少しダイヤをきちんと調べ、魔法瓶のようなものも携えてたいと、今はそう思っています。


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先週の土曜日の夜に、五能線鰺ヶ沢駅前の尾野旅館に泊まりました。ゴールデンウィークに泊まって以来、今年2回目の宿泊です。

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写真は夕食です。見事なものだと思います。尾野旅館は駅前旅館ですが、出される食事は素晴らしい。漫画の「美味しんぼ」に、見た目は質素でも美味しいものを出す「岡星」という店が登場しますが、その境地に近い。「どうやって料理を研究するの?」と女将(というか、おばちゃん)に聞いたら、「少しずつだね」「失敗しながら?」「そう」とのことでした。

先日アップした、昭和41年の名著を楽しめたのもこの旅館で、素晴らしい本と出会い、美味しい料理が食べられて、飾らない会話ができて、暖かいお風呂と部屋が用意されていて、これ以上のことがあるでしょうか?
とまあ、尾野旅館の方もこのブログをチェックされることがあるようなので、ちゃんと褒めておきますよ。

でも、本当のことですからね。

写真の左上はハタハタ。今がいちばん美味しい季節なのだそうで、予約の電話を入れた時に「ハタハタがあるからね」とのお返事。

いいでしょ?

今回も帰りぎわに、翌日の御弁当を出してもらえました。なんだか申し訳ない。
また、行かなきゃ。

いいものですよ。行きつけの宿があるって。
一昨日、鰺ヶ沢の駅前旅館に泊まり、こんな文章を、携帯で書きました。

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鯵ヶ沢駅前の、小さな旅館にいます。当然、LANはなく、テレビはつまらないので、消しました。廊下の本棚に「日本の旅」というのがあったので、部屋に持ち帰り、布団の中で読んでいます。昭和41年発行。カラーページには、高山本線を走るキハ55が登場します。執筆陣は串田孫一、新田次郎、山室静、そうそうたるものです。そして、それぞれの文章が、すばらしい。「一度でも高山へ行ったことのある人は、その思い出を語るとき、ふとまなざしの奥にあこがれのいろを秘めるようである」 伊藤桂一さんの、飛騨高山の紹介文の冒頭です。あの時代に、こんな文を読んだら、憧れないはずはありません。本を読んで色々なことを感じました。本の作り手に力があること、ネットの、特にウィキなどのないことの、ある種の清々しさなど。それでは、昭和41年の世界に戻ります。

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まず、フェイスブックにアップしたのですが、頂いたコメントには、どれにもあの時代への思いが秘められているようで、なんだか嬉しくなりました。

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大井川鐵道井川線にアプト区間が誕生するまで、日本で唯一のアプト式鉄道があったのが、信越本線横川―軽井沢間です。もっとも、この区間のアプト式も、昭和38年には廃止となっていますが。

この写真は、多くの人が何度も見ているでしょうね。碓氷第三橋梁。この上をアプト式の線路が通っていました。もちろん、今は使われていないわけですが、線路跡は遊歩道として整備されているので、歩くことができます。私も取材で訪れた時に、横川駅から、熊ノ平信号場跡までの全区間を往復しましたが、正直に言って、結構きつかった。勾配は緩いのですが、途中平らな区間がほとんどなく、だらだらと登り続ける道は、日頃の運動不足はあるにしても、ハードなものでした。暑い日だったし。

それでも、よくもこんな山の中に線路を通したものだと、先人の遺業に改めて感服。線路脇に入浴施設などもあったので、これを利用したりして、もう少しゆっくり行けば、また印象も違ったことでしょう。
もう1回行ってみても良いでしょうね。今度は水筒と、おにぎりを持って、ハイキングのつもりで行くと良いのでしょうね。


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前回アップした写真の区間の、それでは窓からどんな風景が見えるのかというと、こんな感じです。

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コンクリート製の巨大な構築物は、こうして写真で見ると索漠とした印象も残りますけれど、実際に現地で見ると、やっぱり雄壮です。

列車は、このアーチの脇をすり抜けると、長島ダム駅に到着します。



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現在の日本でいちばん急な勾配があるのが、大井川鐵道井川線です。
アプトいちしろ駅―長島ダム駅間に90パーミルの勾配があります。パーミルというのは千分率での単位。百分率の単位がパーセントで、90パーミルというのは、つまり0.9パーセントということになります。それは1000mの水平距離を走るごとに90mの高低差が得られる勾配ということで、こう書くとずいぶんなだらなかような印象がありますが、鉄のレールの上を鉄の車輪で走る鉄道ではこれでも限界を超えていて、この区間には歯を刻んだレールを敷き、機関車に取り付けた歯車をかみ合わせて坂道を登る「アプト式鉄道」が採用されているわけです。


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写真が、アプト区間での車内からの眺め。自動車であればこれくらいの坂は「ざら」ですが、鉄道ではこれが日本最急。ちなみに2位は80パーミル区間のある箱根登山鉄道です。

大井川鐵道がアプト式鉄道を建設したのは、長島ダムの建設によって水没する区間が生じ、その対策として路線変更を実施し、アプト区間を建設したのだとか。線路をつけかえる時に、長い迂回路を建設する選択肢もあったそうですが、観光資源になる可能性も採り入れてアプト式を採用したようです。このあたりも、慧眼ということでしょうね。

坂道の急さ加減はともかく、良い眺めですよね。また行きたいなあ。仕事のノルマなしで。



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いわゆる軽便鉄道規格で作られた路線も、貨車改造の展望客車も、そのほか諸々をすべて「トロッコ列車」と呼ぶのには、どうも納得できないのですが、ともあれそんな存在が、多くの人に鉄道に乗ることの楽しさをアピールしていて、それが広く認められるようになったのは嬉しいものです。

考えてみれば私たちが鉄道を好きになった頃、つまりそれは昭和30年代後半から40年代中頃のことなのだろうと思いますが、その時代には、「鉄道が好き」なんて、あまり大きな声では言えなかったような気がします。そういう意味では、社会も立派に成熟しているということなのでしょう。


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写真は、先日アップした黒部峡谷鉄道と並び、トロッコ列車の代表的存在として名を馳せている大井川鐵道井川線の列車。アプトいちしろ駅の風景で、アプト区間にだけ連結される電気機関車を切り放しているところ。停車時間を利用して、お客さんがホームを散歩しています。

井川線は、線路幅はJRと同じなのですが、車両の背丈の低さはご覧の通り。当初は、762mmゲージで建設されたのですが、すぐに輸送力増強のために、線路幅を変えたのだとか。まさに慧眼ですね。

写真を撮った日も、11月のウィークデイであるにも関わらず、多くの人が大井川鐵道の旅を楽しんでいました。これだけのお客さんを集めてくる営業努力にも脱帽です。



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そういえば、富山でお会いした方の一人が、今、富山には色々な乗り物があるということを仰っていました。海にはソーラー船があり、いずれ新幹線も開通する。その時にはライトレールと富山地方鉄道の市内線が乗り入れを始める。立山にはアルペンルートの乗り物があって、その山麓にはトロッコ列車もあるとのこと。

確かにその通りです。さらに私たちのように鉄道が好きであれば、JR西日本の車両に希少性の高いものが多くなっていることもつけ加えられるでしょう。富山地鉄も悪くありません。

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もちろん、全部を一気に回ることは不可能で、下手をすれば、一つの駅にいるだけで一日終わってしまうかもしれませんよね。それを後から後悔したりして。でも、そういう万人向けのモデルコースなど絶対に作れないことこそ、鉄道の、それもディープな、旅の醍醐味なのだろうと思います。