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ちょっと矛盾するような話ではありますけれど。

写真に限らず、芸ごと一般の上達の鍵は、いかにそのことに時間を費やすかだと、私は考えています。
英会話しかり。英会話の最短上達法は、英語で話す国を一人で旅行することです。中学校で習う言葉を、いつでも引き出すことができるようになれれば、旅行はできます。あとは、needであるとか、takeとか、haveとか、会話の中で汎用性の高い単語の使い回しに慣れること。英語を勉強して、haveという単語を知らないはずはありませんから、あとは慣れです。

話がそれました。すみません。

で、鉄道写真においても、時間を費やすことが肝要なのですが、一つお薦めしたいのが、自分のホームグラウンドを持つこと。行きつけの場所という奴ですね。まず1箇所、お気に入りの場所を見つけたら、少しテリトリーを広げて、2~3駅の駅間の撮影ポイントに精通すると良い。四季それぞれ、朝から晩まで、風景の移り変わりや、光線の具合を把握し、「ここであれば、鉄道写真のプロの誰がきても、自分にはかなわない」と言えるくらいになれれば、痛快ですよね。

かく言う私も、昔、小田急の渋沢~新松田間に通ったことがありました。今は建物が増えて、そこでは自由に写真を撮ることができなくなってしまいましたけれど。7回めに現地を訪れた頃から、何となく、風景が違うように見え始めたのですね。観察が細かくなったということなのかもしれません。すると応用が利いたり、これは鉄道写真を撮っている人であれば解ると思うのですが「駄目もと」の狙い方ができるようになる。写真撮影のバリエーションが増えてゆきます。

その一方で、決まった場所に行っても、少しひねりを入れることを忘れないでおきたいものです。趣味の先輩である松本謙一さんが、「お立ち台に行っても50m動いて見ろ」ということを雑誌に書いていたのを読んだ記憶があります。カメラの列に加わるのでなく、少しだけでも自分なりの工夫を加えろという意味ですね。50m動くといっても、カメラの列の前に出たら怒鳴られますけれど(本当は、怒鳴るなんて、情けないけどね)。

決まった場所に通ってみること。人気の場所に行っても、それだけで安心しないこと。

そんなことを忘れないでおくだけでも、何かの実りにつながると思います。



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青い森鉄道
↑ 青森駅にて

日曜日の朝。青森は雨でした。天気の悪い時には、いくら頑張ってみても、なかなか天気の良い時に撮った写真を超える写真は撮りづらいものです。早めに仕事を切り上げ、帰浜することにしました。
新青森から「はやて」に乗車。車内で4時間ほどを過ごすことになりますが、カッスラーの文庫本を持ってきているので、退屈する心配はありません。もちろん、時には車窓風景を楽しみ、本当は食堂車かビュッフェが連結されていれば、車窓ももっと楽しいのでしょうけれど。

ここ3年くらいかな。仕事で北海道に行き時以外は、飛行機を利用しないようになりました。余裕を見て空港に着き、到着した空港ではバゲージクレームで待たされ、そういう時間を含めれば、新幹線ともそれほど差がないことが解ったからです。
それであれば、一度乗ってしまえば、眠っていようが、本を読んでいようが、好きなことができる鉄道の方が楽しいし、何かと発見があるというわけ。今年春の大分の取材も、現地の人からは。福岡空港からなら自動車道があるから、すぐですよ、という案内を受けましたけれど、「サンライズ」と新幹線を乗り継いで現地に向かいました。さすがに安売りチケットにはかないませんが、正規運賃であれば、寝台車利用でも、価格は一緒。空港連絡バス、まで計算すれば、航空機は思うほど安くはない。

それなら、寝台車でしょ。私はビールは飲まないけれど、食べ物を何か買って、本も買って、飲み物も買って、寝台車に乗るでしょ。

話がそれましたね。

そういう具合で、なるべく鉄道利用は、考えて見れば、仕事の上でも当たり前。今回も、青森への「行き」では、ほとんど本を読めなかったので、帰りはこれを楽しむことにしました。

今回のカッスラーの小説も、例によって、盛り沢山でした。
主人公を乗せたクラッシックカーが、成り行きで美貌の国連役員を救出し、テロリストの乗ったメルセデスに追撃を受けながら山道を登り、しかし、速度ではメルセデスにかなわないクラッシックカーは、やむを得ず、スキーヤーで混雑するゲレンデでカーチェイスを演じ、最後はメルセデスをジャンプ台に誘導してこれを撃破し、みずからもブレーキが効かなくなったため、ロッジに突入してようやく止まり、目を丸くしているピアニストに、主人公は車を降りて、「失礼しました。フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーンをお願いします」と話かける。これは喜劇か。

こうして、テロリストがスキー場で炎上しているうちに、わが「はやて」は上野到着(途中にジャンプ台がなくて良かった)。横浜まで帰るのに、上野で下車すれば京浜東北線で確実に着席できるので、いつもそうしています。

13番線の脇を通りかかると、ちょうど「カシオペア」」が入線していました。

カシオペア

今から、あれに飛び乗れば、青森、北海道に行けるんだよな、と、朝、青森を出てきたのに変な気分。
もう、寝台列車の出発時間なのです。

やっぱり、青森は遠い所なのですね。
少しばかりは。



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