取材をさせて頂きました「鉄道ファン」の4月号が自宅に届きました。今回は相模鉄道の20000系と、建設中の羽沢横浜国大駅を取材させて頂いております。報道陣の昼食にシウマイ弁当が出たという、あの時です。
 相鉄20000系は、乗り入れ用の通勤車。全体に細かく造り込まれた印象で、相鉄としても、いろいろなテスト的要素を盛り込んでいるのかもしれません。これは遠い将来のことになりますが、この電車の運用距離が伸びた時に、トイレとグリーン車が造られることになるのかにも注目したいところです。
 羽沢横浜国大駅は、一部軌道の敷設が始まっていました。駅舎の一部なども姿を見せはじめており、地元民としては、早く造ってよ~という感じです。駅が営業を始めれば、自宅から自転車でこの駅まで来て、隣の駅が武蔵小杉になるそうですから、東京に向かうメインルートになりそうです。
 今回はちらりとだけ、相鉄20000系のインプレッション記事の中でモデルも務めておりますが、、、おじいさんになったなあ、俺。まあ、年齢相応ということでしょう。いつまでも髪がツヤツヤ黒々では、むしろ気持ち悪いものね。これからはもっと老けることにして、恰好の良いひひ爺さんになろう。

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 26日、27日の2日間、大井川鐡道に取材に出かけました。OBの方に昔のお話を伺い、これが形になるのは、早くても半年先くらいになるのでしょうが、色々と学ばさせて頂き、そして楽しい2日間でした。写真は同社の新金谷駅。この駅舎の2階は同社の本社となっていて、なかなか風格が備わっています。こんな木造建築も少なくなっていますし。

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大井川鐡道新金谷駅(クリックで拡大します)

 私が初めてこの鉄道を訪ねたのは、今から45年くらい前のことですから、もうずいぶんと昔のこと。まさか、将来自分が仕事でここにくることなど想像もできなかった、と、そんなことを総務の方に話したのですが、思えば、この総務担当の方にも、もう25年以上付き合って頂いていることになります。幸せなことだと思います。

 毎号編集のお手伝いをさせて頂いている日本写真家協会(JPS)の会報166号が発行され、PDFもアップされました(該当ページからPDFを閲覧できます)。
 本号では巻頭ページで、松本副会長が「権利無視の応募要項!!フォトコンテストのいまを考える」と題し、最近実施された東京都交通局によるフォトコンテストのやり方を例にして疑問を呈しています。
 記事の書き方の詳細、言葉の選び方については私にも異論がありますが、『一度応募したのなら、著作権を含めるすべての権利が主催者(この場合は東京都交通局)に帰属し、けれどもクレーム等については応募者が責任を持て、という姿勢は、とてもコンテストを主催する者にふさわしいものとは言えない』という記事の趣旨には、全面的に賛同します。
 とにかく、現代という時代は、このような無神経、横暴がまかり通ってしまう時代です。私たちは、目の前にぶら下げられたニンジンに安易に飛びつくことをせず、きちんと目を光らせ、社会のルールを構築していかなければなりません。
 硬い記事の多い会報ですが(そういう書籍だって必要です)、写真に興味のある方は、ざっとでも目を通してみて下さい。得るところがあるかと思います。

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昨日は新宿のクラブ―ツーリズムで、この秋2回めの講師役を務めました。
 持ち時間が終わると質問を受け付ける時間があって、これはまあ、余韻を楽しむようなものです。昨日は3人の方から質問があったけれど、みな紳士的で、答える方も楽しい時間となりました。書いた記事が発表されると、読者からの突っ込みに怯え続けなければならないのが、現在のライター事情なのだけれど、こうやって面と向かって話す分には、1対1の節度ある話し合いができる。苦情の電話とか、ネット上での批判とか…。そんな匿名の発言を認めてしまった状況も、社会をいびつで息苦しいものとしてしまった一因なんだろうなあ、と、これは愚痴に近い呟きです。

Facebookの友人が、こんな記事があることを教えてくれました。

つくばエクスプレスで「トラブル・不祥事多発」一体なぜ⁉

 つくばエクスプレスの現状に触れ、事故が起こる可能性があるという指摘です。
結論は間違ってはいません。小さなトラブルが起こっており、将来的に大事故が起こる可能性もあるというものです。
ただ、この結論は、すべての鉄道会社について言えることであり、さらに言えば、航空会社や、バス会社や、タクシー会社についても言えることです。
 記事を読んだ感想は、「それではこの記者は、他の鉄道も取材して、その上でつくばエクスプレスを危険である」と思ったのだろうか?ということです。例えば、最近になって遅延が多く発生していると言われるJRの中央線や、東急田園都市線であるとか、限られた予算の中で文字通り苦闘を続けている銚子電気鉄道などの現場を知り、さまざまな比較を行った上でつくばエクスプレスを取り上げているのか?ということです。
 まず、そのようなことはしていないと思います。たまたま、この記者さんか、編集担当者がつくばエクスプレスを利用していて、テーマに採りあげようと感じたのでしょう。
 記事中には、「利用者が増えたのに職員は数名しか増えていない」であるとか、「ドアセンサー」の問題が挙げられていますが、将来の利用者増は、この鉄道が開業した時から見込まれていたことで、そうなっても対応ができるように、自動化であるとか、バリアフリー化が当初から進められたいたわけです。開業後のつくばエクスプレスにインタビューに行った際に、担当の方は、「当社にはバリアフリーの推進という考え方はありません。なぜならそれは、最初から当たり前のこととと考えているからです」という旨のことを仰っていたことも印象的でした。最初からシステムが整備されていたから、利用客増にも対応できているわけです。
 ドアセンサーの問題は、私は東京急行の方にお話を伺ったことがあります。同社は近年になって遅延が多くなっており、批判の対象となっているようなのですが、それはドアセンサーの作動が一因であり、特に皆が厚着になる冬場が問題なのだとのことでした。そういう比較がなされているなら、「つくばエクスプレスは危ない」という書き方はできないはずです。

 誰のために記事を書くのか。もちろん、利用者のためであるはずですが、それであれば、潜んでいる危険を不正確に指摘してはならない。それは当たり前のことで、結局は、何でもよいから煽りたいという根底の部分が見え隠れするのが、どうにも切ない限りです。聞いた話では、ネット上にニュース記事をアップしているところは、いつもアクセス数を稼ぐことに必死になっているのだとか。媒体が注目されなければ死活問題となるのは書籍でも同様ですが、どうもネット媒体は、その傾向が強すぎ、行動が短絡的に過ぎるように感じらるのですが、どのようなものでしょう?

 自戒も含めて。

念のための追記:現代の駅は自動改札機や監視カメラ、ホームドアなどの普及によって、可能な限りの省力化が進められているのは、皆、ご存知の通りです。そのことによる弊害も認められ(例えば弱者に対する人による案内が少なくなってしまう可能性がある)ますが、それは鉄道会社にとっての共通のテーマでもあります。もし、4名の増員だけでは不十分であるとするのなら、対案を書き、その根拠も記して、初めてその意見は説得力のあるものとなります。根拠なしに数字を持ちだし、利益優先などと記してみても、それが単なる八つ当たりとしか捉えられなかったとしても、仕方ないのかなと感じます。




ここのところ、すっかりブログにご無沙汰してしまっているもので(すみません)、何か書かないと。

 何も書く気が起きないというのは、物を書いている人は皆そうだと思うのですが、忙しい時ではなく、ただひたすら落ち込んでいる時、鬱な時です。もちろん、人間である以上、そのような時は必ず誰にでもあるはずで、そういう時期を短く浅くできる人が、優秀な人間であることの、一つの指標なのかもしれませんが。
 
 最近、そうですね、ここ半年か1年くらいの間のことですが、個人的な変化としては、食が細くなったことが挙げられます。年齢的にも還暦を過ぎ、それは当然のことなのですが、嬉しさも中くらいということでしょうか。昔は簡単に食べられた「○〇と○〇のセット」のような昼食が、平らげるのに苦痛を伴うようになりました。それはたくさん食べなくても済むということで、選択メニューのバリエーションを広げる効果もありはするのですが、やっぱり、つまらないということもある。従って、中くらいということです。

 食が細くなったことを随筆に書いていたのが晩年の池波正太郎で、この人も健啖家でしたから、最晩年の「そんなに食べたら私は死んでしまう」という記事には、読み手としてはがっかりしたのを覚えています。それは書き手としては、ごく自然な心情だったのでしょうが、読み手は、そこには期待ていない。つまり、受けるためには、多少の「外面」もあった方が良いということになるのでしょうか。

 書くことの難しさは、そのようなところにあります。「書き手」としては、これは何も随筆に限らず、評論であるとか、あるいは小説のようなものまで含めて、その時の自分の価値観に司られて言葉を拾いだしてゆくわけですが、その無意識の行為は刻々と変化し続けているわけです。「食が細くなった」というのは、明白に理解できるわけですが、同様の変化は精神面にもあるはずで、そのことによって書くことまで細くなってしまってはいけない。内面的には、そうなっているのでしょうが。

 で、昨今の鉄道のニュースを見ていると、何やら暗いことばかりで、これはマスコミの諸氏が、とにかく「煽ること」ばかりを念頭にして記事を書いていることが生み出している大きな過ちとも捉えてはいるのですが、さてそのようなご時世の中で、自分が書くことをいかににして「細いものにしてしまわないようにするか」が、とても大きな課題であると、そのあたりもなんだか難しい問題だと、私の落ち込みの一つの理由になっているように感じではいます。

 自分が落ち込んでいても、書くものは面白いものにしないと、なのであります。
 やり甲斐はありますが、ひえ~。


いつもお世話になっているクラブツーリズムさんで、「日本を旅するように学ぶ」シリーズの中で、私も講座を開催します。10月7日に開催された第1回は告知できませんでしたが(すみません)、引き続き11月18日(土)と、12月9日(土)にも講座を開催します。場所は、新宿アイランドウィングです。御用とお急ぎでない方は、遊びに来て下さい。

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ようこそ 奥深い鉄道の世界へ

明治初期に開業し、長い歴史の中でさまざまな形に発展してきた日本の鉄道の魅力を、テーマごとに紹介します。

催行:10名 受付:1名から(11月分は、催行が決定しています)

コース番号 E0504-096
受講料   1500円(各回)
時間    13:30~15:00
開催日   第2回 11月18日(土)話題の観光列車
      第3回 12月9日 (土)身近な鉄道遺産

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お申し込み・お問い合わせは 03-5323-6822
(受付時間 月~金 9:15~17:30 土・日・祝は休業)

1泊2日の取材先から家に帰り着いたら、新刊の「著者献本分」が到着していました。
こちらはイカロス出帆さんの本社納本分なので、書店店頭発売まで、まだ数日の間があります。

 いつも本ができるのはとても嬉しいことなのですが、また、悪口言われるのだろうなあ、などと、今から悲しい気持ちもちょっぴりあります。何しろ、最近の突っ込みは、それはし烈でして…。それでも、自分の仕事に確実な足跡を残せることが、出版という仕事のいちばんの楽しさなのでしょう。学生時代に、初めて「色校」というやつを見て、自分はこの仕事をやりたいと思った、あの時の気持ちは忘れようがありません。
 また、アマゾンから、自分の本のセールスがたくさん来ます。お手柔らかにお願いしたいものです。
 
 書店で見かけられたら、是非、手に取ってご覧下さい。

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わが近刊の予告であります。 ネットからの拾いによれば、こんな表紙の本になるらしい。
http://sinkan.net/?asin=4802204337&action_item=true …
本が出たら、また、熱心な読者から叩かれるのだろうなあ、と、最近は喜びよりも、怖さの方が先に立つのであります。

イカロス出版から。ネットには10月10日発売予定とあります。進行の詳細は著者は解らない。もちろん、訊けば教えて貰えるけれど、校正を終わって「手離れ」となると、しばらくは「呆けてしまう」のが、著者の常であったり。
本当は、旅に出るのが良いのでしょうが、それはもう少しお預けです。

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専門家が教える旅行情報サイト「たびねす」に寄稿した『23区内唯一の公営遊園地・あらかわ遊園をまったりと楽しもう』が掲載されました。

あらかわ遊園は、アトラクションはみなのんびりとしたものばかりでしたけれど、ミニ動物園があったり、釣り堀があったりと、色々な仕掛けがあって、なかなか楽しい場所でした。私も、きっとまた行くと思います。

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どうやったらプロレスラーになれるのだろう?(本当はやり方はだいたい解っているけれど)と、ネットを調べているうちに、色々な職業のなり方、年収、将来性などを一覧にしたWEBにぶつかった。

キャリアガーデン

池口がプロレスラーになるのは、将来的な夢にしておくことにして、自分に縁のある出版系のアーティクルを順に読んでみた。
ライター、コラムニスト、カメラマン、編集者…
まあ、どれもみな、悲惨である。記述に誇張がないだけに、身につまされる。光が差し込んでいない。
ひとつ感じたのは、仕事を請け負う人間(フリーライターとかね)は、雇用者に「顎で使われるようになってはいけない」ということ。少しでも対等に近い立場となるべく、努力して、踏み台を見つけてきて、並んでいなければならない。このWEBのどこかにあった「FXをやれ」と編集者に言われて、「自費では勉強できない」と言ったら切られた、など、悲しい話である。これは編集者の人間性にも問題があると思うが、そんなことを感じようとしない人も増えている。
あとは、専門性を身につけておくことだろうなあ。「なんでもやります」ではなくて、厚揚げについて書かせたら日本で三本の指に入るとか、温泉饅頭についての資料の所持量は日本一とか、人に言われるようになることだ。
それも大変なのだけれど、道がないわけではない。


お手伝いさせて頂きました交通新聞社刊「都営交通の世界」の見本誌が手元に届きました。都市圏にある大手私鉄の車両、運転、施設などの現況を紹介するシリーズの最新刊で、今回は都バス、荒川線、舎人ライナーも記事の対象に入れてあります。その部分が、思いのほか新鮮な印象です。
 私は、都営地下鉄の通史と、各駅のプロフィールの紹介などを担当させて頂き、駅の出口を、地下鉄全駅撮り歩きました。いや~、三田線はずいぶん遠くまで延び、大江戸線はひたすら長かった印象です。
 ただ、都営地下鉄の歴史は、みなさんご存知のように、三田線の東武・東急との乗り入れ計画が中止されたり、可哀相。それから当初の計画のように、三田線がさらに北に伸ばされたり、本八幡から千葉ニュータウンへの線路が建設されていれば、趣味的には本当に面白かっただろうなと、執筆の最中には、ひたすらそれを感じていました。それから東京の路面電車がもっともっと残されていれば、ということも。
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専門家による旅のガイド「たびねす」に寄稿した『三菱みなとみらい技術館で現代の先端技術を探ろう』が掲載されました。
http://guide.travel.co.jp/article/28549/
「たびねす」の記事制作の際には、必ず編集チームのスタッフとのメールのやりとりがあるのですが、最近は必ず「おひさしぶりです」の一文が加えられており…恐縮しています…こういうのもしがらみと言うのか。でも、そうやって相手をして頂けているのですから、ありがたいことです。仕事を続けることそれ自体も、自らへの励ましなのですね。
 で、現地の印象なのですが、鉄道の情報が少ない!メーカーに限らず、鉄道会社自体も、もっと活気があることをPRしていかないと、こりゃいかんぞ、と感じたのでありました。

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「HIGH RAIL 1375」の取材では、こんなお土産も頂けました。これが結構美味しいので嬉しい。残るはあと1ピースのみ。缶が空になったら、筆立てが一つ増えることになります。

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昨日取材しました,7月1日から営業運転に入る小海線の「HIGH RAIL 1375」が,交友社のHPに掲載されました.
 久々に雨の中の取材で,辛くもありましたが,でも現場に出ることで自分自身の活力が補給されるような気がします.
サンドイッチも美味しかった.私はまったくの下戸ですが,チーズと野菜のサンドイッチには,「これならワインを欲しくなるな」と思いました.

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特急「はと」について書くべく、色々なものを読んでいたら、内田百間の「阿呆列車」に行き着いた。『なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪に行つて来ようと思ふ』というクダリで始まる阿呆列車シリーズの第1回の旅が敢行されたのは、百間61歳のときだった。
 つまり、「数え」なら、今の私と同じということになる。気がついたら私も爺さんねー、ということなのだが、今の私には「阿呆列車」のように、前借りをしてまで一等車に乗ることなどできない。
 似たような仕事をしているはずなのだが…。
 昔は良かった。そう、結論はいつも、これである。


お手伝いをさせて頂きましたメディアックス刊「みんなの鉄道DVD book JR北海道スペシャル」が、先週末のことですが、自宅に届きました。
 今回は記事の構成で2転3転した部分もありはしたのですが、編集に手間がかかった書籍というのは、仕上がってみると特に嬉しいものです。
 記事中には鉄道カメラマンの荒川好夫さんと長根広和さんの対談もあって、こういう記事を読むと、北海道に行きたくなる。長根さんのように、落石~別当賀で一日過ごしてみたい、と痛感させられるわけです。「どこに行きたい」という初夏の時期の願望は、ほとんどの場合、果たせないままに終わるのですが、今年の目標「北海道と北アルプスに1度は行く」、これをなんとか実現したいものです。

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記事を執筆させて頂きました『Kiite!』が自宅に郵送されてきました。うほほほほ。まるで女性誌。この本は郵便局に置かれるとのことですが、女性読者を意識した作りです。その中で今回は「グルメ列車に乗ろう!」という特集があり、その中に私の執筆記事があります。
 しかし、意外に大特集だったんだなー。それならもっと書きたかったなー。でも特集のトップに近いところの記事だし、歴史の話はこの中であれば私にしか書けないだろうから、それはそれでいいかなー、などと思いながら、日頃ちょっと見慣れない、パステル調デザインの誌面を繰ったのであります。厚い雑誌ではありませんけれど、この雑誌の編集さん、結構頑張ってますよ。郵便局で、是非、ごらん下さい。

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「作品に取り組んでいる時は,影響を受けるといけないので,芸術性の高い作品は読まない」ということを言ったのは開高健だけれども,私にはそんな力はないので,むしろ影響を受ける本を読んでいる。
写真の本もそのうちの一冊で,ずいぶん前にアマゾンで衝動買いしたもの。立原正秋だの,檀一雄だのといった食通,というよりも食いしんぼ,が多数登場して(いまや故人も多いけれど),自らの作品で自らの食を語っている。
登場する多数の作家の中で,何とも気障なナンバーワンは,断然,立原正秋で,けれども文章のうまさも群を抜いている。これが作家というものなのだろう。それであれば,私もそうなりたい。先生は,朝からビールを飲み,松茸だの,ステーキだの,がんがん食べているのである。そうなりたい。そのくせ,これは別の作品でだけれども,「夜更けの雑炊には希望がある」などとも,先生は書いている。
どちらも,劣らず,美味しそうだ。

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古い時代――だいたい70年代か、80年代の初めまで――の鉄道模型雑誌を読むのが好きだ。
 この時代は今日ほど製品が飽和状態になく、だからモデラー自身が、次に何を作ろうかという課題に嬉しく悩み続けていたし、雑誌自身にも業界を導こうとする力が強かった。
 殊に「ミキスト」「パイプスモーキング」という各誌編集主幹による評論は読み応えがあって、TMSの山崎氏がヨーロッパの鉄道模型を、最後まで「玩具的」と誤解していたのは今もって残念だけれども、それはさし置いても、時に何かを堂々と批判する姿勢は、痛快だ。ある号の「パイプスモーキング」の、「そんな調子では、いつまで経ってもレイアウトなど作れない」という、読者への語りかけ、もっと言えば叱咤、もっと言えば批判なども、これまた痛快で、こういう「質の良い怒り」を提供することも、メディアの重要な役割であることを思い知らされる。その怒りに読者が触発され、賛同したり、反論したり、そうやって、全員の意識が高まってゆくものだとも感じる。
 翻って、別に鉄道模型雑誌を指すことはないが、(自分が携わっているものまで含めて)現在のメディアのなんと、事なかれ主義なことだろう。怒ることも、褒めることもしない。そんな調子だから、読者が育たず、その証拠がSNSの世界の言い合いの、何と不毛なことか。語彙、含蓄がないのに、言葉の数だけはやたらに多い。
 「日本の鉄道模型は、このままではいけない。なぜなら~」こうして続く言葉には、時には同意できないものもあったけれど、刺激されること大だった。
 メディアは、もっと良質の怒りを提供して欲しい。しなければならないと思う。
 自分ももう還暦。さて、あとどれくらい「質良く」怒れるか?いろいろ難しい。