~鉄道写真向きのカメラとは(その5)~

デジイチは最終目標だけれど

 鉄道写真を撮るのに、最適なカメラは何か?これは言うまでもなく、デジタル一眼レフです。デジイチなどとも呼ばれますけれど、このカメラが現在における最終形でしょう。近年発売のものは動画撮影機能などもつき、ある程度のクオリティの動画まで撮れるようになってしまいました。

 デジイチの話を始めると、これもきりがなくなってしまいますので、今回は要点だけ。
それでは、どのカメラが良いカメラなのか?これは単に価格に正比例と思って間違いないでしょう。では、価格とは何が反映しているのか?
これは画質と耐久性です。
 画質に対する尺度はいろいろありますけれど、いちばん大切なのはレンズ性能。そういう意味で、ボディは最高品質のものでなくとも、レンズは最高品質にこだわるというスタイルも成立します。ただし、デジタルの場合は、最上位機種のために開発された新技術が、より新しい廉価版のカメラにも用いられるというケースもあるようなので、「新しいもの勝ち」という考え方も、また真理です。
 一方、様々なメディアで色々と喧伝されている「画素数」は、確かに有効な尺度ではありますが、これがすべてではありません。具体的には、一昔前の600万画素のデジタル一眼レフカメラの画質が、新鋭の1000万画素超コンパクトデジカメに勝るということは、よくあります。画素数が増やされていても、カメラ全体の設計がチープであるコンデジは、デジイチにはかなわないわけです。私自身、今ではまったくの旧式デジイチである「キヤノンKiss Digital」で撮影した写真が、幾度も雑誌に掲載されたことがあり、あのカメラは600万画素であったはずですが、十分に、印刷原稿の撮影に使用できるカメラであるわけです。

 まあ、これは一つの目安ですから、頭の片隅に留めておいて頂ければ結構です。

 画素数だけにとらわれない、古いものより新しいもの、でも性能は価格に比例というあたりがポイントでしょうか。

 あまり能書きばかり書いてもつまらないので、今回はこれくらいで。
次回から、撮影のノウハウを少しずつ書いてみることにします。


夜景

デジタル一眼レフカメラでの撮影。悪条件下でも、十分に美しい写真が撮れるのがデジイチの実力。
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~鉄道写真向きのカメラとは(その4)~

コンデジの魅力と短所

 前回は携帯のカメラについて考えてみましたけれども(このテーマも実は奧が深く、また触れなければいけないこともあるでしょう)、今回はその一つ上のクラスとでも呼びたい、コンパクトデジタルカメラ、略して「コンデジ」について考えてみます。
 実は今、私自身がいちばん魅力、と言いますか、面白みを感じているのがこのジャンルのカメラです。すでに4~5台、この種のカメラを購入していますし、まだ欲しい機種もある。あ~、早く富豪にならなければいけません。

 それはともかく、毎月のように登場する「コンデジ」の新製品には、その都度に新しい機能が搭載され、それはフィルム時代のカメラでは想像できないような機能となっています。例えば、カメラが被写体の中の顔を見つけ、そこにピントや露出を合せる顔認識機能がそれですし、動画撮影や、パノラマ写真の合成機能などもそれです。あるいはボディは小さくても、超望遠レンズが搭載されているなども、フィルムカメラでは考えられないことです。

 それでは、「コンデジ」が万能なのかといえば、もちろん、弱点はあります。その最大のものが画質で、これは画素数云々が問題なのではなく、レンズを中心とした光学系そのものに、本格的な一眼レフカメラほど、力が注がれていないということがポイントとなっています。もちろん、本格的な一眼レフに比べればはるかに値段が安いカメラなのですから、これは当然で、結局は携帯のカメラ同様に、使う場所を考えるということが、肝要であるのかもしれません。もちろん、自身のホームページ上に写真を発表するといった限りでは、一眼レフとの遜色はほとんどないでしょう。けれども、もし、その写真を何かの印刷物に使うということになると、これは難しくなるかもしれません。使えないことはありませんが、写真をあまり大きくすることはできません。

 下に掲載した2点の写真は、いずれも「コンデジ」による作例です。条件の良い撮影では、十分な作品を残すことができますが、条件が悪くなると短所がはっきりとしてしまいます。けれども、小さいボディでズームレンズもついているのですから、山の上に持って行って、記念写真を撮るのにはうってつけです。一方の夜景の仕上がりは不満です。この画質でしか撮れないのであれば、一眼レフを使うべきでした。

いろいろな意味で、機能は増えつつあるものの今なお過渡期にあると言えるのが、今の「コンデジ」と言えるでしょう。もっとも、私たちの生活に不可欠や、パソコンや携帯にしても、毎月のように進化しているわけですから、これも過渡期にあると言っても間違いではないわけですけれど。


剣岳

コンデジの作例1 雲海に姿を現した剣岳。明快な写真です。


江ノ島の夜景

コンデジの作例2 江ノ島の夜景。劣悪な環境には少し弱いかも。
~鉄道写真向きのカメラとは(その3)~

カメラの長所と短所を知ろう

鉄道に限らず、写真を撮る上で、できれば知っておいた方が良いことに、自分のカメラの長所と短所というものがあります。これはすべての道具について言えることで、カメラでなくとも、テレビでも包丁でも自動車でも一緒です。そして、1台のカメラですべての条件を満たすものはないということ、これも同じです。

燃費がよく、スピードが速く、室内が広く、でもコンパクトな自動車というのが存在しないように、道具というものは、目的に応じて「逆算」で作られているものです。一つ、あるいは二つの条件を満たすために、他の機能を切り捨てている。この切り捨てがうまくいったものが、ベストセラーになるわけです。
例えば、私は今、フィットという車に乗っていますが、この車は燃費がよく、コンパクトで、私は気に入っていますが、でもスピードは出ません。もし、車に加速性能を求めるのであれば、スポーツタイプの車を買えばよく、でも燃費はフィットの半分以下となるでしょう。

カメラもそれと同じことです。すべての条件を満たすものはない。それであれば、今自分が使っているカメラ、あるいはこれから買おうとするカメラの長所、短所を熟知して、良いところを最大限に活かすことです。道具というのは、例えば80点の性能を持っているものでも、私たちが20点くらいにしか使いこなしていないことが多い。それであれば、80点の道具を80点で使ってあげて、120点の道具を50点で使っている人よりも良い性能を引き出してあげれば良いのです(自分で書いていて、耳が痛いけど)。

まずは携帯電話のカメラについて考えてみましょう。
良いところは、持ち運びが楽なことです。もともとが持ち運ぶことを目的に小型化されているのだから、これは当然。

それでは、悪いところは?
まずは画質がどうしても劣りがちだということ。それでも、最近の製品は結構イイ線を行っているものが増えましたし、私もブログに使っている写真の多くはiPhoneで撮影したものです。ネット上に発表する写真用であれば、十分に使えます。

それから弱点の2。これはiPhoneの特質なのでしょうが、暗い所での撮影には向かない。画質が落ちます。シャッタースピードを高くするために、画質を犠牲にする操作が自動的に行なわれているのでしょうね。
そして、極端に速く動くものは撮れません。データの転送速度が、被写体の動きに追いつけず、画像の形が変形して記録されてしまいます。

ですから、そういうものを狙っても傑作は撮れない。その向き不向きを知ってあげることです。
それからもう一つ、カメラの露出の自動補正の問題があります。
作例の1は、カメラの露出自動補正が裏目に出たものです。空の明るさにカメラが騙されて、かんじんの車体が暗く写ってしまいました。本格的なカメラであれば、最初からこれを補正して撮影をしますが、携帯にはそのような機能はない。

そこでフォトショップを使って、これを補正したのが、作例の2です。
「ハイライトを暗く」「シャドウを明るく」して、ほかに色調も若干変更しています。
今は、このような画像処理ソフトがいくらでも手に入りますから、これをどんどん活用するべきです。活用しなければいけません。
ウソを映像を本当だと語ってはいけませんが、目に見えた美しい印象が、画像を展開してみると、思ったほど美しくない、というのは、よくあることではないでしょうか?
これを、自分が感じた印象に近づけるのが、画像処理ソフトの仕事でもあるわけです。
なんだか、話がずれてしまいました。すみません。



「しなの」(悪い例)

作例1 車体が暗く写ってしまった例


「しなの」(良い例)

作例2 画像処理ソフトでこれを補正した例
~鉄道写真向きのカメラとは(その2)~
写真上達のコツも失敗にあり

 さて、鉄道写真を撮るのには、どのようなカメラが良いのか?もちろん、理想はレンズ交換ができるデジタル一眼レフでしょう。プロカメラマンもこれを使っています。昔は35mm一眼レフだけでなく、いわゆるブローニーカメラであるとか、4×5(しのご)カメラと呼ばれるものなどがあり、これはフィルムの大きさが一般的な35mmカメラよりも大きかったのですが、この数年のうちに、主流はすっかりデジタルカメラとなってしまいました。

 では、アマチュアの人が、カメラには何を用意するべきか?最終的にはデジタル一眼レフでしょう。けれどもカメラの価格もそれなりです。まずは手元にあるカメラで撮影を始めましょう。今、誰もが一番身近な存在として使っているカメラが携帯電話のカメラでしょうか。

 携帯電話のカメラも、性能は千差万別です。このカメラで傑作を手にする方法も色々考えられますけれど、まずはたくさん撮ること。これは今日写真を始めたアマチュアから、プロの大御所まで変わらない大前提です。

 もし、あなたがこれまであまり写真を撮ったことがなく、けれどもこれから写真を撮ってみたいと考えているなら、まずは、携帯などの簡単なカメラを十分に使ってみて下さい。
そして、良い作品を撮り、あるいは失敗をすることです。失敗をして、それを2度としないことが、実は上達の最短距離です。

 これはプロでも同様なんです。プロカメラマンの仕事がまだフィルムによっていた時代には、プロラボというものがありました。プロ向けのDP屋さんです。フィルム現像ができあがると、プロは店頭で出来映えをチェックします。良いものもあれば、人間ですから、失敗もあります。大切なのはここからで、失敗した写真について、その理由をその場で確認し、その失敗を2度としないこと。それがコツです。

 優秀なラボマンというのは、知識が豊富で、写真を見て、その失敗の理由をカメラマンに端的に伝えることができました。優秀なプロは、それを素直に認めて、自分の糧にすることができた。「能書き」の多いカメラマンにあまり優秀な人はいないというのが相場でした。

 なんだかカメラ選びのコツの話ではなくなってしまいましたけれど、まずはたくさん撮ること、失敗をすること、その理由を確かめて、失敗は繰り返さないこと。
私は昔、よくラボマンと、どんな写真が良い作品なのか、腕の良いカメラマンというのはどういうものなのかを話し合いました。その一つの結論は、「良いカメラマンとは、一通りの失敗を済ませた人である」というものでした。失敗はしておかなければいけません。


木曽

木曽路のとある山村で撮った風景写真。携帯電話のカメラでもこれだけの写真が撮れます
~鉄道写真向きのカメラとは(その1)~

まずカメラを持ち歩くことから始めよう

 連載写真講座の2回めです。連載の2回めにあたって、私は何を書いたらよいものか、迷っています(笑)。なにしろ書かなければいけないことがたくさんあるので、何から解説したらよいのか解らないのですね。ともあれ、少しずつ説明していきましょう。

 まず、鉄道写真を撮るためのカメラには何を使うべきなのか、ということから考えてみましょう。結論を先に言えば、故障さえしていなければ、何でも良いのです。今は携帯電話にもなかなか優秀なカメラが付いていますし、毎月発売されるコンパクトデジタルカメラにも、常に新しい機能が付加されています。そして、レンズ交換が可能なデジタル一眼レフがあれば、言うことはありません。あるいは、少し前までの主流であったフィルムカメラでも良い。そういえば、昔はプリント(ネガ)が良いのか、スライド(ポジ)が良いのかという悩みにも、ずいぶん付き合わされたものです。

 いちばん大切なことは、そのカメラを使いこなすことです。使いこなすというのは、どういうことかというと、完全な暗闇の中でもそのカメラの操作ができるほどまで使い馴れていることであるとか、そのカメラの長所や短所を知っておくことなど色々ですが、自分がそれだけ気に入ることができる一台と出会えれば、それは幸せなことです。
それって、カメラに限らず、道具は何でもそうですよね。包丁1本と同じことです。それであれば、機種は何でも良い。

 しかし、何でもよいからと、迷ってばかりいても話が先に進みませんので、そこでここではデジタルカメラを使うことを前提に考えを進めてゆきます。デジタルカメラにもいろいろありますから、今回はデジタル一眼レフ代表としてキヤノンのKiss Digitalを、コンパクトデジタルカメラの代表として、キヤノンのPower ShotG10 、あるいはパナソニックのLumix DMC-FX9を、携帯の代表としてアップルのiPhoneを使用して作例を撮ろうと思っています。あるいは、キヤノンのEOSシリーズの上位機種も登場するかもしれません。いずれのカメラも現行の最新機種ではありませんが、なにしろ手持ちの機種がそれだけですからご容赦の程を。

それでも写真とは「弘法筆を選ばず」の諺と同じで、カメラの性能が良い作品、すなわち見た人を感動させる写真を撮るための絶対条件とはなりません。例えば、昨今の龍馬ブームで、多くの人が何度も、坂本龍馬の立ち姿のポートレートを目にしたことと思いますが、あの写真を撮影したカメラなど、実に原始的なものです。でも、あの写真は見る人を十分に感動させられる。そこに写っているものに(様々な意味での)力が備わっていれば、見る人は感動する。写真の器材などは気にせず、まずカメラを持ち歩き、写真を撮ってみましょう。それがスタートです。


車窓


短い鉄道旅行に持っていったiPhone。今、携帯なら誰でも持っているでしょう。まずカメラを携え、シャッターを切ってみることからすべてが始まります。
鉄道写真を撮ろう

 最近、マスコミなどに頻繁に登場する「鉄子」さんという言葉。これは女性鉄道ファンを指したものです。数年前だかに小学館の漫画雑誌に『鉄子の旅』という作品が連載され、これはガチガチのマニアに引き連れられて、女性漫画家が全国の「鉄道名所」を旅するという内容でしたが、この連載によって、「鉄子=鉄道ファンの女の子」という言葉が市民権を得たようです。

さて。
 こういった言葉が市民権を得るくらいなのですから、現代という時代には、女性鉄道ファンも全国に少なからずいるということなのでしょう。確かに、今、あちこちの駅で、車両に携帯のカメラを向けている女性をよく見かけます。近年登場のケータイは、撮れる写真の画質もなかなかのもの。かく言う私自身、このHPの別コーナーで続けさせているブログでは、iPhoneで撮影した写真を非常にしばしば使わさせて頂いており、万能ではないものの、用途によっては十分な力を発揮してくれています。

 そこで、これら鉄道好きの女性向けとして、改めて鉄道写真について解説するコーナーを設けてみることにしました。どのようになるのかは、今、こうして文章を書き始めたところですから、解りませんが、簡単なことから書き、作例も載せ、鉄道写真の撮り方や、飾り方などを紹介していければと考えています。もし、興味がある方がいれば、是非、このコーナーへの投稿もなさって下さい。どんどん掲載していきますので、自分のHPがなくても作品を発表できるかと思います。

 写真というアートも、簡単に始められて、それでいて奧が深いものです。従って、楽しみ方は千差万別。その楽しさを、私自身このコーナーを続けることで、再確認していければと考えています。それでは、どうぞよろしくお付き合い下さい。


「あさぎり」

富士山を見ながら走る特急「あさぎり」。きっと窓からの眺めも素晴らしいことでしょう